「......ねぇ」


俺の胸元に、人の手が置かれた。


その手に重みが加わっていき、唇が重ねられる。


俺と誰かの唇。


俺が知っている、女の子の唇。


「勉強、教えてね」


唇を話したすぐそば。


俺の口元で囁かれた言葉。


俺が知っている、俺が好きな女の子の声。


「いつもよりいい、愛し合い方...」


これぞ夢の中だ。


こんなにも甘ったるい声で、可愛らしい声で、禁断の道へと誘われてる。


閉じた目が開いた。


俺の足に馬乗りになる君は、くすっと小さく笑った。


「早く時間になってほしいな」