今日、朝起きたとき。


隣りに、スヤスヤと眠る君がいた。


「今日も教えてね」


「いいよ」


...勉強は教えないだろうけど。


華恋の笑顔が偽りだったとわかるのは、俺だけだった。


俺の斜め向いに座る母さんも、俺の隣りに座る父さんも、華恋の言動の嘘がわからない。


「ごちそうさま」


家族揃っての夕食。


俺は、一番に席を立つ。





部屋に戻るが、俺の中から離れないもの。


妹の、作った笑顔。


「バッカじゃねぇの...」


ベッドに仰向けになり、どうしても離れない華恋の顔を頭の中で見つめる。


大きく伸びをしたまま、目を閉じた。