俺の家は、階段上がったその正面に華恋の部屋がある。


1階の階段の前から上を見上げれば、必ず華恋の部屋が見えるのだ。


母さんはそうして見たのだろう。


「あんた、和也の部屋にいたの?」


「......っ」


華恋の言葉が詰まる。


これは相当焦る。


実際、何も関係ない"設定"でいる俺の心臓もバクバクしていた。


たとえ、母さんの予想できない行為をしていたとしても。


「...覚えて、ない」


どうして涙目になっているのかわからないが、華恋はうつむきながら残り少ないご飯を食べる。


俺は、華恋を1人残したくなくて、空になった茶碗にご飯を入れた。


ほんの、2、3口分だけ。


「あ、思い出した...」


華恋は何を言っているのか。