お姉ちゃんと聡が笑って見送ってくれなきゃ……

幽霊になって現れちゃうかも。

私は声を振り絞って聡に言った。

学校で伝えなきゃいけなかった事を伝えようと。

上手く言葉にできない。

けど、聡と話すのも最後だと思うと言葉が出てきた。

「私ね聡の事大好きなんだ。
もちろんお姉ちゃんの事も大好きなの。」

「うん。うん。」

「男の子のくせに……泣かないでよ。」

私が一番泣きたいのに。

いつも泣かない聡が泣いたら泣けないよ。

「聡……笑って。お願いだから笑って。」

「美香……」

「楽しかったな。三人で遊んで。
毎日が輝いてた。お姉ちゃんと聡がいて。」

「……っ」

「もう一度戻りたい。あの頃に。
もう一回三人で遊びたいよ。」