守は成功したと思った。

嫌がる菜子を呼んで、祐二と仲直りさせる事。

(俺だって役に立てる。)

「なあなあ、後で二人きりにさせねえ?」

隣にいる律に耳打ちする。

「何で?」

「ここじゃ謝りたくても無理だって。俺達がいなくなったら…」

「なるほど。祐二が来たら三人で出ていくぞ。」

「りっちゃん流石。わかってるね。
これは愛だね!!愛!!」

「うるっせえ!!」

(はあ……何で私が。)

律と守のやり取りを見ながら菜子は困り果ててた。

本音を言えば来たくなかった。

あの日以来、祐二と顔を合わしてない。

学校が始まれば合う事もないから謝らなくていいと思ってた。

(でも、謝らないとダメだよね。
そのために三人が来て……くれた?)

疑問形になりながら、三人の姿を再度見る。

(りっちゃん面倒くさいと思ってるだろうな。)