声があるなら、よっこいしょと言わんばかりにテディベアが一人立ちする。


「見よ、凄いじゃろ!」


びしぃとこちらを指差すシャルロッテと同じ動きをするテディベア。両方とも可愛らしかった。


「確かに凄いけど、人形が動いただけじゃ……」


「なぬ!ジエロの凄さが分からぬのか!」


ガーンと一歩引く真似をする様までテディベアは完璧にこなしていた。


「仕方がないのぅ、特別じゃぞ。ジエロ、スケートリンクじゃ!」


ここでテディベアがシャルロッテと違う動きをした。


頷き、くるくる回る。さながら人形劇でもしているようだが。


――その異変を、トゥエンティは肌で感じた。


寒い。

鳥肌がたつほど一気に凍えはじめ、見れば、口から白い息が出た。