私の歓迎会はショップの近くの洒落たイタリアンバーでひらいてもらった。

幹事は高橋真里で、あの子らしいセンスの良いお店だった。
カジュアルなのにしっかりとした料理をだしてくれた。

『ようこそ、川崎さん!乾杯!』

『ありがとうございます。』

料理も大半でてきた頃にはみんなほろ酔いで、もちろん男の話になった。

聞けば特定の彼氏がいないのは私1人のようだった。

『川崎さんに彼氏がいないなんて、信じられない。』
真里が言った。

『そうよねー』
他のスタッフまで話にのってきた。

こんな時は真里も含めて、みんな馬鹿だと思う。
何が信じられないというのだ。

『まぁね、あたしは今はいらない。高橋さんも飯田さんも明日は休みだけど、もちろんデートなんでしょう?』

『はい、あたしは終わったら彼の所へ行く予定です。』

真里が元気良く答えると同時に飯田奈津美が口をだす。

『みんな真里ちゃんの彼氏見た事あります?』

『きゃ~。やめてよ飯田さ~ん。』

『だってぇ、すごく優しいんですって!あたし前の休みで偶然合ったら顔もかっこよかったしー。いいなぁ、真里さん。』

『うらやましい~。』

真里の顔を見ると、照れてはいてもまんざらでもなさそうだ。

急に正人に会いたくなった。

裸のまま朝まで眠りたいと思った。