栄恵と別れて、家に戻ると、軽く掃除とつまみの準備をした。
後は正人がきた時の為にビールとワインも冷やしておけば、ベッドに入るだけ。
虚しいとは思わない。
彼氏なんていらないし、彼女にだってなりたくない。
あたしと正人は必要な事以外は話さない。
正人の彼女の話は聞かないし、お互いに一緒にいる時には2人で興味のある話をするだけだ。
だから、正人だってあたしが他の男と遊んでる事にも何も言わないし、言わせない。
これでいいんだ。
キチンとラインを引いて、お互いが依存しないように、必要な時だけに会って、満たされて、傷つき合う事もない。
傷つく事に臆病なあたしには、誰かと向き合う事なんてできない。