「はい。」


手短に済ませようと
ちょっと不機嫌な声を出しながら
チャイムに出た。



「あ、あの!
ね、猫が!助けて下さい!早くっ」



ねこ?



何なんだ、朝から。
こっちは今から仕事なんだって。



そう思って切ろうとしたら
次はすごい音を立てて
ドアが叩かれ始めた。



あまりのうるささに耐えられなくなり
ドアを開けると
高校生?
いや、制服着てないし
大学生?
ぐらいの女の子が
手にぐったりとした黒猫を抱えて立っていた。