「私も志乃だけしか想えない」


「…知ってる」



私が微笑むと、生意気な態度でそう言う志乃。


すると、コーチが
試合開始を伝えにやってきて

志乃は私から離れた。


そして、さっきまでの笑顔とは違う別の笑顔で歩き出す。



楽しみで楽しみで仕方がない、大好きなバスケ。


私がバスケに嫉妬しちゃうくらい

君はバスケ馬鹿。


優先順位が
バスケより私になればいいのに……



そう思いながら
志乃の後ろ姿を見つめていると


ふと志乃が
私のほうを振り返った。