「でも私……志乃が勝つって信じる。だから、もう不安にならないよ」



私が泣きながら、でも
笑顔で言うと志乃は俯く。


……私の想いは
志乃にとって迷惑だった?


「――――い」


「な…何て言っ――――ひゃ」



急に志乃に私は抱き締められた。



「絶対に負けない」


「志乃……?」


「俺だって知夏が好き。
好きすぎて怖くなる…………」



「えっ!!?志乃が?」



志乃がそんな事を思うの?



「俺も負けた時のこと考えて
すげぇ怖くなった。
知夏が俺の不安を口に出したから、もっと不安になって……八つ当たりした」