「お前また放心状態かよ。ホント男に面識ねぇな」

悪魔が呆れ顔で言う。


でも今の私には悪魔の声なんか入ってこない。


「あ…あの、今のは…」

「キスだけど?」

しれっと言う王子様。
しかもさっきとは全く別人のような黒い笑顔で。

「…そんなことは分かってるんですよ…
私が聞きたいのは…」

私の言葉を遮り、悪魔が言った。




「さっきのは表の顔。今は裏の顔。こっちがコイツの本性だ」」



…えぇぇぇえぇ!?