びっくりして言葉が出ない。

なんであたしキスされてんの?
この人はあたしを助けてくれたよね?
なのになんで…



「ごちそうさま。桜ちゃん」
そう言って私から唇を離した。

さっきと変わらない優しい笑顔。
放心状態のあたし。
今…なにが起きた?



プっ…



「へ?」

まぬけな声を漏らす私と反対に、誰かの低い声がした。


「桜ちゃんって…おもしろいね」


意地悪な笑み。


この人は誰?


さっきと真逆の笑みを浮かべているのは王子様。