天使がいた。


天使…? ううん。王子様…といったほうが正しいのかもしれない。

整った顔。優しい目。キュっと上がった眉。すべてが綺麗。あの悪魔と並ぶくらいに。


「怖かったでしょ?もう大丈夫だからね」

落ちついたトーンの声に私は涙があふれてしまった。



「泣かないで…」





ちゅ…