「……偽王子」

悪魔の顔が歪む。と同時に腕をつかまれた。



「…ここ、怪我されてますよ?」

指されたヒジをみると、わずかにかすり傷があった。
あの時必死に逃げたからどこかにぶつかったんだ…。
…って、今はそんなこと考えてる暇じゃないっ!!!

「あんたのせ…っ」

言いかけて私の口は止まった。

なぜなら悪魔が私を抱えてたから。