「いや、昨日男と一緒に帰ってたから、彼氏いんのかなーと思って。…それだけだよ。」

「お前…姫梨のこと好きなのか?」

「はぁ!?」


それこそ意味がわからない。俺が姫梨を好き?なんだよそれ。

好き…んな感情わかんねぇよ。


「…月夜。」


俺の考えていることがわかったらしく、翔は小さく、そして優しく話出した。


「月夜、目閉じろ。誰の顔が、誰の笑顔が浮かぶ?誰のことばかり考えてしまう?…言ってみろ。」

「………姫梨。」


言われた通りに目を閉じると、ただ1人…姫梨の顔だけが浮かんだ。

思い返せば、昨日も今日も姫梨のことばかり考えていた。


俺、姫梨が――…