……ん?俺なんか忘れて…あ、そうだ。


「ほら。何も食べてねーだろ。」


何が好きなのか分からなかったから、無難に選んだメロンパンを差し出す。


『あ、メロンパンだっ♪…え、貰っていいの?』


姫梨が遠慮がちにそう言う。


「あぁ、俺が連れ出したんだし。」

『ありがとう!』



ドキッ―…。

向けられた笑顔に、不覚にも胸が高鳴ってしまった。


って…違う。
そうじゃなくて…。