屋上への人気のない階段をのぼり、アルミの扉を開ける。


真っ昼間ということもあって、日差しが強く、思わず眉間にシワをよせ、目を細めてしまう。



姫梨は、左手でフェンスを掴んで、街を眺めてる。

染めてはいないであろう、栗色の髪を風になびかせながら…。



あのパーティーの日と状況は違うけど、あの時と同じように美しく、輝いて見えた。



この気持ちがなんなのかは、
よくわからない。


けど、ただ1つ言えること。

それは、姫梨は俺にとって他の女とは違うってこと。




……それだけ。