――――…


『……誰だっけ?』

「はぁ!?」


はぁ!?って…そんな驚かれても、覚えてないんだもん…。

会ったこと、あるのかな?


「…8月15日、夜。…庭で。」


夜?庭?どこの!?
…家?学校?……夜に学校には来ないか。

んー、ホテルとか?ホテル…、あっパーティーに行った!!


たしか8月15日だったよね。
その時に会ったのかな?


『……………。』

顔をよく見てみる。大きな目に長いまつげ、スッと通った鼻筋…。

「な、なに?」


……この顔、どこかで…。


あ!思い出したっ!!

『桜崎月夜くん…だよね?』

「やっと思い出しました?愛蘭姫梨さん。」


嫌みがましい笑みを向けられた。

それにしても、月夜くん…じゃなくて、月夜は私のこと覚えていてくれたのに、忘れるなんて…。