結局家に帰り着いてからも、姫梨のことが頭から離れなかった。
夕飯の時も、風呂に入ってる時も、月を見てる時だって…。
母さんには「悩み事?」って心配されて、父さんには「珍しいな、お前がクヨクヨするなんて。」とか言われた。
俺、そんなに顔に出てたのか?
感情は表に出ないタイプなんだけどな…。
頭をクシャクシャっとした記憶は…、無くもないけど。
いつ会いに行こう…。
D組に直接行くわけにもいかないしな。そんなことをしたら騒ぎになるに決まってる。
だとすると、
あいつが行きそうな場所は――…、
あそこだな。