「梓ぁ、お昼は? 翔子さんちで食うの?」
「うん。一緒にマック行くことになった。」
梓が携帯に気をとられながら歩いていれば、肩が誰かとぶつかり軽い痛みが走る。
「あっ、すみませ...ん」
ぶつかったのは小柄な女の子で、上履きの色からして一年生と言うことが解る。
因みに、梓達は三年生だ。
「いって、どこ見てんだし。」
指折りの不良、佐伯梓にぶつかったことを知り、
尚更恐がる小柄な女の子。
「まあーった気分害したんだけど。」
不機嫌な様子で、女の子の胸ぐらを掴む。
他の生徒は、可哀想と同情しつつも助けることはなかった。
そんなことしたら、自分も只では済まないからだ。