*キミとの出会い* 藍Side



4月。


ひらひらと桜の花びらが宙を舞う。



その中、長いブロンドの髪を靡かせ、入学式・合併式が行われている体育館を興味なさそうに見ている人物。




俺、相澤 藍《アイザワ ラン》は、その光景にしばらく見惚れていた。





この時間に、こんな場所にいるということは高確率でサボりだろう。


まぁ、俺もだけど。




「おい!藍!お前、こんなところにいたのかよ!」




不意に俺の名前を呼ぶ、否、叫ぶ声が響く。


てゆーか、アイツ分かってんのか?


一応、今は入学式の真っ最中で、俺等はサボってるってこと。


そんな大声で叫んだらバレるだろ。




「おい!相澤 藍ー!!」



…………………。



『黙れ。叫ぶな、うるさい。』


流石にあんな大声で叫ばれりゃ、聞こえませんでした、なんて言い訳通じるわけがない。




「聞こえんなら、始めから返事しろ!」



俺の悪友、朱科 唯澄《アカシナ イズミ》は単純、チャラい(外見が)、喧嘩馬鹿の3拍子。


その辺に転がってそうな不良みたいなヤツ。


………不良か。


そのせいか、すぐに手が出る。