「友達いらねーって言うなよ」 ミヤビくんの声が、少し真面目になった気がした。 風の強さが増す。 「私は0からやり直してんの。友達はもう、いら」 「中学とかに何があったのかわかんねーけどさ」 私の言葉の続きをミヤビくんが遮る。 「0から始めんだろ?だったら友達も0から作れよ」 ミヤビくんは私が逃げないように腕をしっかり掴んでいて。 痛くないけど振りほどける強さでもなくて。 見事に捕獲された。