「結城ちゃんっ」 頭上から声が聞こえた。 見上げると、笑顔の垣内さんがいた。 垣内さんは隣に置いてあった丸椅子に腰掛ける。 「どうしたの?」 「ん~?雅人君がこっち行ったからあたしもこっち来た」 「そ……っか」 なんとなく俯いてしまう私。 あぁ、本当私ってダメな人だと改めて思う。 こんなに私は意気地無しだったっけ。 「……やっぱやめた」 ふと、垣内さんが呟く。