「遅いっ、タロー」 「別にそんなでもないじゃん」 「そんなでもあるんだよっ」 ミヤビくんはそう言い、私の髪をくしゃっとする。 「うわっ、ミヤ……」 「さ、さぁっ。行くぞっ」 私の言葉を遮り、ミヤビくんは前に進んだ。 私はミヤビくんについていく。 「ココ空いてるから座るか」 ミヤビくんの隣に座る。 舞台では今、第3位の発表がされていた。 「俺ら1位になるかもな!」 「世の中そんなに甘くないよ」