『――これより、1年B組の劇を始めます』




拍手と共に徐々にゆっくりと上がる幕。



……このアリサは私をイメージしたって奈々が言ってた。


だから演技じゃなく、私が言っているようにすればいい。


よし、やれる。


『とある国に、それはそれは美しいお姫様がいました』


パッと私だけにライトが照らされる。



『お姫様の名はアリサ。アリサは笑ったことが一度もありません』