「あーもう、うるさいなっ」 ……確かに私は今、人生の中で1番と言っていい程緊張している。 だって最後に“アリサが満面の笑みを浮かべる”って。 笑えない私には100%無理じゃん。 ぎこちない微笑みならなんとか出来るけど。 そんなんじゃ舞台が台なしになるのは目に見えてる。 ど、どうすれば。 「始まるよ!」 奈々の声で我に返った私はすぐに自分の立ち位置につく。 この幕が閉じる感じ、あまり好きじゃないんだよなぁ。