「…百鬼凰に一人で乗り込んだ時…栄留が…いた…。」
「そうか…」
「…。」
奏が顔を府く。
「奏立て。」
「…。」
「立て」
奏が床に手をつけて、立ち上がる。
立ち上がった奏と目があう。
「…この馬鹿野郎」
私は口の端をあげてニッと笑って、後ろにいる鉄二に向かって
「栄留の事は私が片をつける。」
と言った。
「それじゃ納得いかねぇ。黒龍も被害を受けたんだ」
鉄二は私の肩に手を置いて、グイッと振り向かせてきた。
鉄二の鋭い目と目があう。
「るっせぇ!!」
私は怒鳴って、私の肩に置いてある鉄二の手を払いのけた。