「そんなに……」
「…」
「『木山 栄留』が裏切りもんだって信じたくないのか…」
鉄二が言った木山 栄留って言葉が鮮明に耳に届いた。
「当たり前だろ?…栄留は裏切るような奴じゃない…」
そうだ
あの栄留が裏切るなんて真似するわけがねぇ…
「昨日俺んとこのもんが、八人殺られた…。おかしいだろ?こっちの動きは全部あっちにつつぬけだ」
私は吸っていた煙草を床に落として踏みつけた。
「…じゃあ、てめぇはその向こうに全部情報を教えていたのは栄留だっていいてぇのか?」
「…あぁ」
「どこにそんな証拠があんだよ?」