「でも、」


「でも?」


「楽しいですよ?」


斗真は後ろに振り返って私を見つめた。


「ふっ、そうか」


「鉄二は優しいですからね」


「まぁ、そうだな」



鉄二の事を話す斗真は優しい目をしていた。


「んじゃ、だいたい見回ったし帰るか?」


「はい、加那さん」


そして来た道を戻ろうと振り返った瞬間…


「闇姫?」


とてつもない殺気を感じて、声のした方向に振り向く。


振り向いた先にいたのは…


「赤髪野郎」


「赤髪野郎?なにそれ?俺のあだ名?」


不気味に笑った赤髪野郎がいた。


「…加那さん、あいつが鉄二さんを殺った奴ですか?」


小声で喋りかけてきた斗真。


「たぶんな…。まだ、わからないけど」


「…闇龍の幹部に連絡しますか?」


「あぁ…頼む」


「分かりました」


そう言って斗真は赤髪野郎にバレないように少し離れた所に移動した。



「あれ?斗真君どっか行っちゃうの?」


ヘラヘラと赤髪野郎は近付いてくる。


「斗真のことなんで知ってる?」

「んー闇龍のことなら全部知ってるよ?」


「誰に…情報もらってる?」


「さぁ?教えないよ」