「でも、大変ですね加那さんも」
「なんでだ?」
「繁華街の見回り毎日してるなんて、俺だったら本当勘弁ですよ」
「ー…別に毎日私がしてるわけじゃないし疲れない」
「あ、そうなんですか?」
「あぁ」
斗真は顎に手を置きながら歩き出した。
「ちょ、待ってよ」
慌てて私も後についていく。
「あ、すいません。」
「いや、別にいいけど。じゃあ今度は私から質問」
斗真は顔を右に傾ける。
「なんですか?」
「鉄二の面倒大変じゃない?」
私がそう言うと、斗真は目を見開いて
「ぷっはははは」
と笑いだした。
「…?」
こいつこんな笑いかたもできるんだな。
大声で笑ったかと思えば、斗真はハッとして、すぐに無表情になった。
あ…
又無表情に戻った。
「………大変です。」
無表情に戻ったかと思えば私の問いに答えてくれた。
「だろうな。」