外に出て、海の近くまで行く。
すると、人影が見えた。
遠くからじゃ暗くて人がいるなんて気づかなかったけど、近くに行くと誰かがいるのが分かった。
私が少しの間ジッと立っていると男か女か分からないけど、私の存在に気づいて振り向いたようだ。
「…誰だ。」
低い声。男だな…。
「…。」
私が黙っていると人影が近づいてくる。
だいたい近くまで来るとお互い誰なのか気づいた。
人影は、神牙の総長…柚斗だった。
「お前…吉川奏の…」
柚斗はそう言って悲しそうな顔で私を見てくる。
「…なんでそんな悲しそうな顔するの?」
私の言葉に柚斗は驚いていた。
「…なんでもねぇ。それより吉川奏が心配するんじゃねぇか?」
「大丈夫大丈夫!」
ま、それより早速約束破ってる方があれだけど。
ばれないし、少しぐらいいっか。