「あ!戻ってきたで!」
一番最初に私達が戻ってきたのを気づいたのは明希だった。
「…なんの話したんだ?」
柚斗が低い声で聞いてくる。
「あ?てめぇに関係ねぇだろ?」
奏も低い声で返す。
「ちっ…」
柚斗の舌打ちが響きわたる。
「まぁまぁ、柚斗そう苛つくなって!で、本当に吉川奏の彼女なの?」
恭賀が柚斗の背中を叩きながら私の方をジッと見てきた。
「そうだけど。」
本当は違うけど。
あー…嘘でも奏の彼女は嫌だな(笑)
「…そうなんだ」
恭賀の最後の言葉で神牙の連中が深刻そうな顔をして沈黙しだした。
柚斗は悲しそうな顔で私をずっと見てくる。
闇龍の幹部達も何かに気づいたみたいにいきなり柚斗を睨み出した。
一体みんなどうしたんだ…?
そんな空気が悪いまま昼が過ぎて夕方になり、ホテルに私達は戻った。