私が奏を睨んでいると、それに気づいて小声で「あわせろ」なんて言ってきた。


はぁ!?

あわせろ!?


「吉川奏の彼女って本当なんですか?」


陸が眉間に皺を寄せながら聞いてくる。



「んっなゎけ…ん゙な…!?」


いきなり口を手で塞がれた。


「ちょっと二人だけで話したい事あるから」


そう言って奏は私を引っ張てみんなから少し離れた場所まで連れていく。


パシッ


奏の手を振り払う。


「てめぇ何が俺の女だよ!?」


「はぁー…お前わかってねぇな。それは、怪しまれないためだろ?」


「は?」


「だから、闇龍の幹部達と一緒にいる女なんて幹部の誰かの彼女しかあり得ねぇだろ?そうじゃなかったらおかしいだろうが」


確かに。


それが一番神牙も納得するだろう。


でも…


「せめて…蒼の彼女の方がまし」

「それを言うな…。」


「ま、言っちゃったもんは仕方がない!しゃーなし…奏の偽彼女になってやるよ」


「なんで上から目線なんだよ」


「はっ、るっせぇ。それよりみんな待ってるから早く戻るぞ」


「あぁ」


私達は歩いて来た道を又歩きだす。