「前にね、平助に教えてもらったの。」 桜ちゃんはそう言った。 僕は敏感に『平助』と言う言葉に反応してしまった。 桜ちゃんの中には平助がいるのだろうか? そう思うと悔しくなって、 平助に嫉妬して、 桜ちゃんを離すまいと もっともっと抱きしめる力を強めた。 結局、妬いてるのは僕の方か―… なんて思った。 …!? 僕の心臓は大きな音を立て飛び跳ねた。 なぜなら桜ちゃんも僕を抱きしめてくれたから…