「楽しかったぁ♪」

あたしは遊園地を後にしながら誠也と歩いていた。

色とりどりな葉が宙を舞っている。

まるで紅葉達のダンスだ。

誠也は無言のまま携帯を見た。

「時間、か………」

「え?」

あたしが振り返ると、誠也は携帯をあたしに見せた。

[5時50分]


「あっ!アヤさんの!」

『6時にあの公園で…』

あたしは慌てた。

指定された公園が遠かったらとても間に合わない!

誠也はそんなあたしにニッコリした。

「ここだよ」

「…………………え?」

誠也の指差す場所は、すぐ隣りの公園。

成る程、だからこっち方面来たんだ。

って、あれ?

あたしはまた視線を誠也に戻す。

「あたし、いたらヤバイんじゃないの?」

二人のサヤちゃんとかの話に、あたしはいてはいけない気がする。

すると誠也はポンッとあたしの頭に手を載せた。

「佐奈はいいんだよ。特別」

ドキンッ!

『特別』



ねぇ、誠也…。

そんなはにかんだ笑顔で特別なんて言われたら、あたし勘違いしちゃうよ…?

ただの友達じゃないのかなって……。

あたしは嬉しくなってニコッとした。

「うん、ありがと!」

「?どう致しまして」

誠也は苦笑しながら歩き始めた。

あたしも後についていく。
「……!?!?」

隣りの公園に入ると、何故か寒気がした。

怨念が、満ち溢れている。

あたしは怖くて震えた。

「何、これ…!」

「え…まさか、佐奈も感じるのか!?」

「こ、わい……」