『もうすぐ卒業かぁ』
俺も翔太も受験成功。
そんな訳で後は卒業待つだけ。
一応卒業テストも終わったしな。
『誠也さぁ、それしか頭にねぇの?毎日そればっかだぜ?』
『早く高校生になりてぇの、俺は』
『………学校、離れちまったな』
翔太は空を見た。
『だな…』
俺も空を見る。
『誠也…あのな?』
『うん?』
『お前に、内緒にしてた事があってさ』
『うん』
『言っていーか?』
『いいよ?』
この時、いいよなんて言うんじゃなかった………。
翔太は風のように言った。
『去年、お前に会った時に……好きな人が死んで…実は俺も死のうとしたんだ』
ドクンッ
『そ、れって……』
俺は聞いてはいけない気がした。
ダメだ……
聞くな聞くな聞くな聞くな聞くな聞くな!!!!!!
でも、聞いてしまった……………。
忘れようと
していた名前。
『澤野、サヤって言う女子』
『……………!!!!!!!!!!』
サヤ………………。
翔太はそのまま続けた。
『俺はその子が好きだった…。でも彼氏がいたんだ。誰かは、結局わからなかった』
俺の事、だ…………。
俺は呼吸をしているのかわからなくなる位、動きがなかった。
『そんで…死んだ』
ドクンッ…!
また、蘇る…………。
サヤの死んだ日………。
翔太は、泣いていた。
清らかな涙を次々と流した。
『彼氏が、憎い…!どうしてサヤが死んだ?彼氏が死ねばよかった…サヤは…サヤは……!』
『しょ…た………』