予感が、当たってしまった………。


先生はまたまっすぐに俺を見ると話し出した。

[内臓が破裂して、更に………]

[トラックに直撃したとき……]

[もう、すでに……]



俺には、先生が何を言ってるのか、全然わからなかった。




サヤが






死んだ………






俺は


白い病院が


天国に見えてしまった。




天使が……サヤを連れて行った。


俺は一気に体の力が抜け、病院の廊下に崩れ落ちた。







ガチャ……バタン



俺は気がつくと部屋にいた。

どうやって帰ったのかさえ、覚えていない。



ただ覚えているのは


サヤの唇が


氷のように冷たかった事だけだった………。



俺はドアにもたれ掛かり崩れ落ち、俯いた。



[守ってやる]


出来てないじゃないか。

守ってないじゃないか。

『っそ、くそっ…!』

拳を握りしめる。





初めて愛した女の子を



呆気なく失ってしまった………

サヤの顔が浮かぶ……。


『誠也〜♪』

『あっ、またそんな事してっ』

『スゴッ』

『有り得ない有り得ない』

『誠也のバカッ』

『愛してるよ…』



最初で最後の[愛してる]




最後の……交わした言葉




最後の……約束




[18歳になったら…俺と結婚して下さい]




不可能に…なった。



涙が止まらない。


サヤの死体に触れて…

死を、感じた……。







サヤはもういない。


『い…やだ……いやだ……』


サヤが死んだなんて…


そんなの…………

『いやだぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!』

天に向かって叫ぶ。

突っ伏して、泣いた。