ピーポーピーポー……




俺は、病院で診察を受けた。

俺は全身打撲傷。

左足を骨折。

左肩を脱臼。

そんな状態だが、痛くない。


まっすぐ見つめる先は手術室。

さっきからずっと見つめている。

『…………!』

手術中の明かりが消えた。

ウィィィン…

中から医師が出て来た。

親やアヤを差し置き、俺が詰め寄る。

『先生!サヤ、サヤは……!』

医師はまっすぐ俺を見た。

『最善を尽くしました…』

俺の表情は明るくなった。

『じゃあサヤは生き…』


そこまで言ったのに、次の先生の一言で俺の表情は一気に硬くなった。

『ですが………………………』

『何、ですか』

俺の頭に嫌な予感が走る。

当たるな……当たるな…!

先生は気まずそうに俯いた。

『澤野サヤさんは………お亡くなりになりました………』

ドクンッ!

『そ、んな………』

俺は立ち尽くした。

後ろでアヤと母親が泣いている。

見ていられない位だ…。