「きゃーっ♪」
ゴォッという音と共に落ちていき………
ぷしゅー…
「お疲れ様でしたー」
係員さんが笑顔で出迎え。
うーん、頑張ってセットしたのに…髪がちょっと崩れちゃった。
「ここのジェットコースター…まだまだだな、俺はまだイケる」
余裕の標準の誠也。
あたしは髪を直しながら話した。
「うわぁ…誠也凄い」
「当たり前だ………ん?」
誠也がじぃっとあたしを見た。
うわぁぁぁっ!?!?!?
は、は、恥ずかしい!!!!
「な、何?」
「髪……」
「へっ?」
あたしは素っ頓狂な声を出してしまった。
それと同時に誠也の細くて長い綺麗な指があたしの唇に触れた。
えぇぇぇぇぇぇ!?!?!?
ま、まさかキス!?!?
ちょっ、ちょっと待っ……!!!
誠也がクスッと笑う。
「佐奈、髪食ってるぞ」
………………え?
誠也はあたしの口から髪を抜いた。
ドキッ!
「ドジだなぁ」
誠也が爽やかな笑顔で笑う。
や、やっぱり誠也はカッコイイ…。
だって周りの女の子の視線浴びまくってるし。
ぼーっとしていると誠也はまたデコピンした。
「きゃっ!な、何?」
「何?じゃねぇよ。次は行かねぇの?」
「えっ、行く!」
誠也はまた笑った。
誠也は笑顔が1番いい。
だって…なんかね、太陽みたいなんだ。
………でも……。
何故か、瞳にはいつも悲しさが残ってる。
……何で………?
「あーじゃあ何処に行…」
「あっ、誠也じゃん!」
「……はい?」
誠也を呼んだ声。
その先には、綺麗な女の人。
20歳位……かな。
「……!ア…ヤ……」
誠也は顔を強張らせた。
アヤという人を見て…。
あたしは堪えきれずに聞いた。
「誠也、その人誰?」