遊園地に着いた。
周りには………。
カップルカップルカップルカップルカップルカップルカップル…………。
…今日はカップル祭りか何かか?
唖然とする俺の横で、佐奈はずっとニコニコしている。
「誠也っ♪まず何食べる?」
「いや、普通『何乗る?』じゃねぇか?まず食うのかよ」
苦笑いしながら佐奈に問い掛ける。
佐奈は目をキラキラと輝かせている。
「だって、ここのクレープとかパフェとかアイスとか美味しいんだよ♪」
「よしよし、よかったなー」
「むぅ、子供扱いしてっ」
佐奈が可愛らしく大きな瞳で拗ねた目つきをする。
だって実際…子供っぽいし。
まあ、そこが可愛いんだけど。
「悪かった悪かった。で?まずどの店行きてぇの?」
佐奈はニコッとした。
「クレープ!」
「はいはい」
俺はぐるっと周りを見た。
クレープ……クレープ………。
ふと視界の隅にクレープという文字を発見した。
小さな白いワゴン車にピンクのフリフリがついている。
実に女向け。
恐る恐る佐奈に聞く。
「……あれの事?」
「あーっ、そうそう!誠也行こっ♪」
「ぅわっ、ちょっ…待て待て待て!」
俺の腕を引っ張りフリフリワゴンに連れて行こうとする佐奈を止める。
「?何で?」
「何でって……佐奈、俺にあそこへ行けなんてのは地獄に堕ちろって言ってんのと同じだぞ」
「行くだけじゃん」
女はな!
男は恥ずかしいんだよ!
あんなフリフリワゴンに並ぶのは!!!
しかもいるの女だけじゃん、そこっ!
勘弁してくれよ佐奈ー…。
「誠也」
「んー?」
佐奈はニッコリした。