確かに…怖かったかな?
まあ、あの後は………。
『誠也くん、あのね…あたし……』
無言の俺。
『あた…し…誠也くんが…好き…で……』
『そんだけ?つか誰?気持ち悪いから止めてくれる?』
『……………ッ!』
って感じだったしなぁ…。
まあ本音言っただけだったんだけどな。
「おーい誠也ー!」
亮が手を振りながら駆け寄ってくる。
恥ずっっ!!!
アヤは立ち上がると紙を渡してきた。
「また連絡して…じゃーね」
「お、おお」
アヤがニッコリして立ち去る。
忘れようとしていた記憶が…呼び戻された。
「ぜぇーはぁー…悪い悪いっ、昼寝したら遅刻しちまった。30分」
「ん?ああ…そうだな」
亮が不思議そうに俺を見る。
「何だよ」
「なんか素っ気ねぇじゃんかよー」
「そうかぁ?」
「うん」
俺はボーッと空を見た。
あの事………。
『嘘だ…嘘だ…』
記憶が鮮明に映し出される。
霞んだハズの嫌な記憶。
『い…やだ……』
止めろ。
『いやだぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!』
止めろ…!
「誠也ー?どした?」
「え…あ…」
亮が心配そうに俺を見る。
どうやらトリップしていたらしい。
「おまっ…顔真っ青だぞ!?」
「あ、あぁ…大丈夫だろ」
亮はまだ心配そうにしていたが、諦めて俺の横に座った。
ちらっと俺を見るとニヤニヤし出した。
「何だよ亮」
「さっきいた美女は誰だー?このぉースミに置けない奴め♪紹介しろっ」
美女ぉ?
俺の頭はフル回転したが、美女といた記憶は無い。
「誰だよ、美女って」
「おいおい、とぼけんなよー。仲よさ気〜に話してたじゃねーか。なんか髪ショートで茶髪の女の子♪」
とりあえず美女は抜いて当てはめる。
ショートヘアーで茶髪で話してた女……?
まさか………。
「アヤのことかよ?」