ギィィィ…

気味の悪いめちゃめちゃ耳障りな音を立てながら、屋上のドアを開いた。

すがすがしい夕日
…な訳なかった。

「あっつ…」

夏休みは終わったとはいえ、まだまだ暑い。

地球温暖化だな、こんにゃろぅ。

太陽が何の容赦もなく、俺を照りつける。

家に帰ったらクーラーつけよう。

うん、絶対そうしよう。

って、俺が地球温暖化進めちゃってんじゃん。

ダメじゃん。

そんなふうに自分にツッコミをすると、ふと目の前の自分が視界に入った。

俺は動けなくなった。

視線を外せなくなった。

ひんやりと汗が流れる。

何でここにっ……?

落ち着け…落ち着け…。

「何で佐奈がここにいんの?愛美は?俺、愛美に呼ばれて来たんだけど」

よし、冷静に言えた!

「あたし……言いたいことがあって…いい?」

言いたいこと………?

亮ともっとラブラブになりたいんだけど、どうしたらいいかな? とかか?

現に中学生のときに女子からそんな相談を受けた。

記憶力いいな、俺。

確かそのときしたアドバイスは……『自分に素直になって、自然にしてればいい』だったな。

マジで記憶力いいな俺。

まあ、どーでもいーけど…。

でも、そんな相談きついんですけど。

一応…さ、好きな人なんだし。

でも、ここは冷静に冷静に…。

「何?てみじかに頼む」

ちょっと素っ気ないけど…いいか。

佐奈が俯きながら話し出す。

「あのね…あたし……」

ここで言葉が途切れた。

ドキドキ…

また話し出す。

「あたし……」

何だ…………?

やけに、暗いな。

なんか言いにくい事なのか?

佐奈の肩…震えてねぇか…?

佐奈は口を一回強く結び、すぅっと息を吸った。

やっぱり肩が震えている。

佐奈は話し出した。

「あ、たし…誠也が嫌い…な、の…二度…と話しかけ…ないでっ!!」