そんなこんなで終わった朝礼。

そろそろ授業が始まる。

そんなときだった。

「びっくりした?」

振り向くと、愛美がニコニコして俺の顔を覗き込んだ。

そのままイスに座る。

「びっくりしたに決まってんだろ?やっぱり愛美か」

「えへっ、誠也と生徒会やりたかったの♪まぁ、佐奈はお父さんが勝手にやっちゃって。亮君は票があったから。でもやっぱり誠也が1番」

「へぇ……」

愛美が進んであの二人を選ぶ訳ないもんな。

亮はともかく…佐奈がいるし。

「あ、そうそう。今日の放課後屋上に来て?」

ニッコリして俺を見る愛美。

よくありがちな告白パターン。

でも、もう愛美は彼女だし…?

「あぁ、いーけど?」

「じゃあ待ってるね♪」

そう言うと愛美はさっさと席に戻っていった。

後ろの席の佐奈と談笑している。

因みに俺の前は亮。

席替えのときに少々俺と亮で細工した。

クラスはたまたまだけどな。

俺は小さく深呼吸すると亮の肩を叩いた。

「んー?って誠也じゃん。どーした?」

「おめでと」

「はい?」

亮は唖然としている。

そりゃ突然『おめでと』だけだしなぁ。

俺はニッと笑った。

「なーにが『はい?』だよっ。佐奈の彼氏になったんだろ?」

「え…?何で知って……」

「佐奈が報告しに来たぞ?てっきりお前が来させたのかと…」

亮は気まずい表情になった。

やっぱり…事情知ってるから気まずいよな……。

「いや、俺じゃねぇよ?でも…誠也ごめんな」

ズキッ…!

「なーに言ってんだよ。お前と佐奈の問題だろ?」

「でも……ごめんな」

謝るな…。

「いーっていーって」

「ごめん……」

謝るな謝るな謝るな謝るな!!!!

もう謝らないでくれ…!

俺は涙を必死に堪えた。

しかし、これ以上亮に謝られると泣いてしまいそうだ。