亮君は真剣な表情だ。

「誠也が好きでもいい。いつか俺に振り向くようにする」

「でもっ…亮君を傷つけちゃう……」

「いいよ、俺は打たれ強いから。だから…俺と付き合って下さい」

ドキン…!

鼓動が何度も何度も高鳴る。

誠也を忘れなくてもいいの?

誠也以上になってくれるの?

あたしを支えてくれるの?

ねぇ…あたし、亮君に甘えちゃうよ?

亮君を傷つけちゃうよ?

でも………それでもいいなら………。

「はい…!」

「えっ?」

亮君が素っ頓狂な声を出す。

あたしは泣きながらニコッとした。

「私と付き合って下さい」

「…………ッ!!!!マジでっ!?やったぁ!!!!!」

「きゃっ!」

亮君が笑顔で抱きついてきた。

そして二人で笑った。

「佐奈…大好き」

そう言って、亮君はあたしに触れるか触れないか位のキスをした。





誠也……あたしは、偽ってしまったよ………。

傷つけたくないなら、軽い傷にすれば、まだいいのに………


あたし、バカだね………。