私はそういう系にはとても疎い。

だからちょっと困るんだけど…。

すると今度は友里ちゃんがニッコリした。

「違うよ、お兄ちゃんはアイドルの□□に似てるんだよ。ね、佐奈さん?」

いやいや…。

ね、って言われてもコメントできないって。

やっぱり女の子だからアイドルとか好きなんだなぁ…。

私は女の子だけど、そこは抜けてるし。

綺麗さっぱり。


「あー…私にはどっちも選べないなぁ」

そう愛想笑いして双子をかわした。

そんなときにタイミングよく現れた亮君。

ナイス!!

「よっ、佐奈。案外早かったな」

「でしょ〜あんまり時間かからなくて意外だった」

「あー、奥の方の住所だからな。でも奥っつってもたいして奥じゃねぇからさ。だからあんまり時間かかんねーんだ」

成る程。

だから結構早かったんだ。

そう納得していると、亮の後ろから小さくピョコッと小さな女の子が出てきた。

恥ずかしいのかもじもじしている。

か、可愛い…!

「可愛いねっ!あたし、小さい子大好き」

「ん?あぁ、夢歩(ユメホ)のことか。こいつはまだ幼稚園だよ。ほら、夢歩あいさつ」

すると夢歩ちゃんは恥ずかしげに手をもじもじさせてあたしを見た。

あぁ…もう本当に可愛い。

「あ、あたちは、かりにょゆめほ、でちゅ。よんちゃいでちゅ」

4歳!?

可愛い〜〜可愛いよ〜〜!!

あたしは満面の笑みで挨拶した。

「よろしくね夢歩ちゃん♪お姉ちゃんは、お兄ちゃんの友達の穂波佐奈だよ」

すると目をくりっと丸くして、ニコッとする夢歩ちゃん。

妹がいないあたしには、どうあっても可愛く見えてしまう。

雅樹はムカつくクソガキだから全く可愛くないけどね。

まだ幼いときは可愛いげがあったのに、今じゃ……。

夢歩ちゃんにはああなって欲しくないな…。