「え、えと、初めまして。穂波佐奈ですが狩野亮君いますか?」

「え?お兄ちゃんに用事?」

意外そうに亮君の妹は問い返した。

すると中からもう一人女の子が出てきた。

「千紗子〜誰?」

「あ、友里。なんかお兄ちゃんに用事みたいだよ」

「え?お兄ちゃんに?珍しいね」

「しかも女の人」

「えぇ?まさか……」

双子は顔を見合わせる。

そしてあたしをちらっと見た。

千紗子と呼ばれた女の子と友里と呼ばれた女の子は、雰囲気が亮君に似ているものの、二人自身はあまり似ていない。

千紗子ちゃんは、ちょっと色白。

髪型はツインテールで髪質がサラサラしていて羨ましい。

一方の友里ちゃんは、ちょっと浅黒い。

髪型はポニーテールで、活発的な印象を受ける。

やっぱり双子って言っても同じって訳じゃないんだなぁ。

そんな風にのんきに双子を眺めていると、中から声が聞こえた。

「佐奈だろー?こっち来いよー」

亮君だ!

いやいやいや、こっち来いよって……双子ちゃん、どーしろっていうの…。

ちらっと双子を見ると、双子はニコッとした。

「どうぞ、入って下さい♪」

「あ、ありがとう」

何なの、このさっきまでの警戒心と打って変わった態度は…。

すると友里ちゃんが亮君のところに連れていってくれると言った。

「お、おじゃまします」

「「はぁーい」」

家に上がると、千紗子ちゃんはニッコリした。

「佐奈さん佐奈さん、お兄ちゃんってアイドルの〇〇に似てるよね??」

は?

アイドルの〇〇?