ピンポーン…ピンポーン…


呼び鈴を二回鳴らす。

今、目の前にあるのは幼なじみの家のドア。
やっと決意した俺は幼なじみに会いに来たんだ。

ばたばたばた…

走ってくる足音が聞こえる。

ガチャッ

「はい?って、あれ?誠也(セイヤ)じゃん!」

出て来たのは生意気小僧の雅樹(マサキ)だった。

相変わらず美形だ。

「よぉ、懐かしいな雅樹」

「おぉ。な〜んか誠也、高校生らしーじゃん」

雅樹はニヤニヤして腕組みをしてドアにもたれ掛かっている。

「当たり前だろ、高校生なんだから。しっかし背ぇ伸びたな〜」

「まぁなっ!つーか中入れよ。姉ちゃんいるし。おーい姉ちゃん客だぜー」

ああ…そういえば姉さんの方にも会いたいかな。

「そーいやぁ雅樹の姉さんの名前何だっけ?」

「ああ…名前は…」

雅樹が名前を言いかけた時、姉さんがスリッパをぱたぱた鳴らして玄関に来た。

「も〜何よ雅樹〜」

声のした方を見る。


「え…?」

ビックリして体が硬直してしまう。

だって…目の前にいたのは…。


「穂波…?」

「あれ?左藤君?どうしたの?」

穂波佐奈…。

この女子が…小さい頃よく遊んだ…。


「さっちゃん…?」

「えっ!?何で…?」

明らかに穂波は驚いている。

雅樹がじれったそうに穂波(まぁ雅樹も穂波なんだが…)に言った。

「佐奈お前バカ?誠也だよ、誠也。佐奈風に言うと『せっ君』」

「ぇえっ!?!?左藤君が!?」

穂波は俺をちらっと見ると真っ赤になって俯いた。


『もうずっと会ってない幼なじみなの…小さいときからの片思い…ずっと好きなんだ…』


そんな穂波の言葉を思い出した俺も真っ赤になる。

「あのさぁ…佐奈と誠也って何かあったの?真っ赤だよ?」

雅樹っ!その追い打ちはいらねぇっ!


「…って、ちょっ…穂波!?」