あの夏休みの海の日から…あたしは一度も誠也に逢っていない。

でも愛美はほとんど毎日逢ってるみたい。

だっていつもメールがノロケ話になるから。

でもあたしの好きな人が誠也だって知ったらどーなるのかな…?

自分から付き合えないって言った癖に………。

なのに凄い悲しいし苦しい…。

雅樹も誠也とあたしを避けさせてるし………。

絶対雅樹はあたしに何か隠してる。

長年一緒に暮らしてる姉の勘。

しかも愛美も何か隠してると思う。

だって海に行った日、誠也は一人で帰っちゃってるし、愛美はあたしに何も聞かないし。

皆で何か隠してる。

でも、亮君は一緒。

いつもと変わらないの。

今日は亮君に相談に乗ってもらう為に亮君の家に来た。

そして…今、玄関の前のドアの前だったりする。

呼び鈴を押す勇気がなかなか出ない。

あのあと知ったけど、クラスメートだったし……。

あぁぁ〜〜緊張する〜。

すぅー… はぁー…

「よしっ」

ピンポーン

覚悟して呼び鈴を押す。
亮君には中学生の双子の妹がいるみたいだけど……。

「その人達が出ませんよーにっ」

ちょっとだけ手を合わせる。

ばたばたばた……

玄関に走ってくる足音が聞こえる。

ガチャッ

「はい?」

出てきたのは中学生位の女の子。

何か亮に雰囲気が似ている。

あぁ、わかった。

亮君の双子の妹だ。

ていうか出ちゃった!