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って気まずいにも程があるだろ!
話せ俺!!
覚悟を決めて鮎川を見た。
鮎川の視線とぶつかり、お互いに目をそらす。
俺のバカッ!!!
目をそらすなっ!!!
「…鮎川っ!」
「はひっ!?」
鮎川はいきなりで緊張したのか声が裏返った。
「ぷっ…」
思わず吹き出してしまった。
鮎川は明らかに拗ねている。
「何で笑うのよッッ」
「だって…くく…『はひっ!?』って…!」
鮎川の真似をしながら笑いを堪える。
鮎川は相変わらず拗ねている。
最後にはそっぽを向いた。
「ふんだ!勝手に笑えば?」
「ごめんごめん鮎川。もう笑ってないって」
鮎川は俺の顔をそっと見るとニコッとした。
さっきまでの気まずい雰囲気は吹き飛んだ。
けど、また気まずい雰囲気にしてしまう。
それは……覚悟してる。
「鮎川…佐奈のことなんだけど……」
「………!うん…」
鮎川は瞬時に暗くなり俯いた。
今にも泣いてしまいそうだ。
「俺の彼女はさ……鮎川だから」
「え………?」
「俺の彼女はお前だから。だから…傍にいろ?」
鮎川を指差し念を押す。
鮎川はまた大粒の涙を大量に流し始めた。
顔を手で覆って泣いている。
「せ…いや…くん…」
「………愛美…」
「せ…や……」
鮎川の涙を拭い去り、涙でぐちゃぐちゃになった顔をじっと見つめ………。
「好きだよ愛美…」
「私もだよ誠也…」
唇を重ねた。
軽く、何度も、何度も。
その間、俺はずっと願っていた。